ありえないバージョンアップを考えてみた
高校時代、運動部に所属していたのですが、入部したての1年のワタクシたちに3年の怖い先輩が「1年だけ全員 裸足で走って」と言ったのです。
え?!
驚いていると怖い先輩は
「私たちが1年のときも裸足で走らされて嫌な思いをしたんだから1年も同じようにするべきよ!」ってね、言うのです。
ええー!道路にガラスとか落ちてたらどうするんだよーー!
しかし、その話を黙って聞いていたキャプテンが
「嫌な思いをしたからこそ後輩に同じ思いをさせたくないって思わないの?」と言ってくれ⋯⋯。1年伝統だった裸足でランニングはなくなりました。
働き始めたころにも年配の先輩から
「昔はなぁ~大変だったんだぞ。お前たちはラクしすぎだ。もっと一生懸命汗を流して~なんちゃらかんちゃら~」
話を聞いていたら本当に大変だったんだなぁと思う。
でもその時代と比べて今はラクし過ぎだと言われるとちょっと違うよなあって思ったのでタバコに火をつけ昔を語る先輩に言ったのです。
「じゃあ先輩も昔の人を見習って木で火を興して下さい」
初期の頃はドルボもなくて移動だけで時間がめちゃくちゃかかってた。ルーラ石の持ち数も少なくレベル上げするのもストーリーするのもとにかく大変
おつかいクエストなんてヒーヒー言いながら走ったり、鉄の金庫なんてないから預かり所でこまめにゴールド預けに戻ったり⋯⋯そして再び遠い道のりを走って狩りに出る。MP切れないように当時高級だった まほうのこびん、せいすい持って走って走って走った。MPステータスが何より重要だった。
でも今ではそれも良き思い出だし、同じ時代を知っている人に会うと必ず盛り上がる。だけどこの経験を知らない人に
「初期組めっちゃ大変だったんだから新規にも同じ思いさせてよ!」
なんて人がいたら?ワタクシはもうドルボなしでは生きていけない、なんならブーストないだけでストレスたまる。
そんな事を仕事中に考えてて、ふと思いついた。もし運営側が
「次のバージョンアップは初期の大変さを伝統として引き継いでいく事に決まりました。次回からドルボードなし、エンジェル帽なし、バシっ娘もありません。新規に優遇してしまうと初期組の人に申し訳ないからね」
などと言ってバージョンアップの度にやることだけが増え便利にならなかったら。。おぉぅ恐ろしい。
なんて妄想して現実に戻ってひと安心。現実はバージョンアップのたびに便利になってるし新規も初期組も平等に助かってる。今からやっても十分追いつけるので どうぞお友達を誘って奮ってご参加下さい。
ツライ経験や苦しい経験はなるべくしたくないものだけど、悲しいかな、同じ経験をしても思考がまったく別に働く人がいる。
自分が辛かった経験と同じ思いをさせたい人。
自分が辛かった分、そんな思いをさせないよう考えていく人。
前者が多い世の中だった場合、間違いなくワタクシは木で火を興してタバコを吸ってるはず。そう考えるとこの世は優しい世界だなと思う。
便利は優しい証拠です